【フランスチーズ】ロックフォールの特徴/ロックフォール村訪問レポ

フランス生活

Bounjour!!
みなさんロックフォールというチーズはご存知でしょうか?
フランス産のブルーチーズでイタリアの「ゴルゴンゾーラ」、イギリス「スティルトン」とともに『世界三大ブルーチーズ』と呼ばれています。特に「ロックフォール」は2000年以上の歴史を持ち、その製法や特徴的な味わいから「ブルーチーズの王様」とも呼ばれています。
この記事ではロックフォールの魅力をご紹介しながら、ロックフォールの生産地「ロックフォール・シュル・スールゾン村」へご案内したいと思います!

ロックフォールはこんなチーズ!

白い肌に大振りの青カビ

フランス南部に位置するミディ・ピレネー地方アヴェロン県ロックフォール・シュル・スールゾンで生産されるブルーチーズです。フランス最古のチーズと言われており、1925年にはチーズとして初めてAOCに登録された、歴史のあるチーズです。

AOCとは、Appellation d’Origine Contrôlée「原産地呼称統制」といい、フランスの優れた農業製品やワイン、チーズ、バターなどに対して与えられる認証。国が伝統性を認め細かい基準を定めることで、産地の個性を守り、模倣品とは一線を引き、品質の保護・保証をするものです。
※登録された当時はAO「原産地呼称」

味わいはピリッと鋭い刺激があり、食感はクリーミーで滑らか、塩気は強め、独特の香りがあります。大ぶりに入った青カビの濃さと特徴的で強い味わいから、チーズ好きが最後に行き着くチーズとも言われています

ロックフォール3つの特徴

①羊乳から作られる

世界三大ブルーチーズの中の「ゴルゴンゾーラ」「スティルトン」は牛乳で作られているのに対し、「ロックフォール」は羊乳から作られます。使われる羊乳には厳しい規定があり、定められた条件で村から100km以内で育てられたラコーヌ種のものを使います。

②洞窟に自生する青カビを使う

ペニシリウム・ロックフォルチというこの村の洞窟に自生するカビ菌を利用します。ここでロックフォールが生まれた逸話を・・・

ある羊飼いが洞窟で休憩していたところ、女の子に気を取られライ麦パンと羊のチーズを置き忘れてしまった。数ヶ月後戻ったところそこににはカビだらけになった自分のパンとチーズが。あまりの空腹にそのチーズを食べてみたらご馳走のように美味しかったことから生まれたと言われています。

(空腹とは言えカビだらけのもの食べるなんて猛者すぎる!!その貪欲さに感謝!)

この逸話からなのかカビ菌の採取は今でもパンを使って行われます。ライ麦パンを1−2ヶ月洞窟に放置してカビだらけにして採取します。カビさせるためのパンであってもカビを採取するのに適したパンを職人が手作りで用意するそうです。

Papillon社HPよりhttp://www.roquefort-papillon.com/fr-papillon-siecle-passion#notre-four-pain
真っ黒!高温で焼くことで中に水分が残りカビ菌にとって良い環境になるそう。

人口培養したものを用いる会社もあるようですが、カビ菌の採取1つでも伝統が守られているってすごい。

③洞窟で3ヶ月以上熟成させる

各社で製造されたチーズは必ず3ヶ月以上洞窟で熟成し「ロックフォール」となります。この洞窟は1年を通してロックフォールの熟成に最適な湿度、温度が保たれます。その秘密は洞窟内を流れる風「フルリーヌ」。岩山が崩れてできた洞窟にはたくさんの亀裂が入っており、この亀裂による外気の流れが洞窟の湿度を適正に保つ風となり、洞窟をロックフォールの天然の熟成庫とします。

村周辺の地形が作り出した洞窟と自生しているカビによる偶然(と羊飼いの一目惚れ?)が重なって生まれたチーズ。ロマンがあります。

ロックフォール生産地はこんなところ

「ロックフォール・シュル・ソールゾン」はフランス南部モンペリエから北西に約100km車で1時間半ほどの場所にあります。この辺り一帯は「グラン・コッス」と呼ばれる石灰岩が広がる高原地帯で、地殻変動により渓谷が点在しています。そしてこの地殻変動で現在の村がある一帯のコンバルーの岩山が崩れ、村の地下に大きな洞窟を作り出しました。「ロックフォール」はこの洞窟で3ヶ月以上の熟成が義務つけられています。
村の南から全体を見下ろしてみましょう。

ロックフォール・シュル・ソールゾン村

周りを自然に囲まれた人口600人に満たない小さな村です。そばにはコンバルーの断層が見えます。崖に沿った限られた平らな土地に建物が密集しています。少し下に降りてみましょう。

チーズ作りが盛んになる時期には季節労働者が集まります。
ロックフォールチーズは現在7社によって製造されています。その中でも70%のシェアを占め、1863年から150年以上の歴史を持つ「SOCIÉTÉ」社のカーヴの見学に行ってみましょう。

中に入ると昔使っていた道具の展示。カビが生えやすいよう成形したチーズに針で穴を開ける道具だそう。地下に降りて実際のカーブに入っていきます。洞窟内は湿度約80%、温度は10℃ほどです。

洞窟が生まれた100万年前の地殻変動の様子や製造過程のシアターなどを見て更に進むと、、

どどーーーーん!!

写真が暗くて申し訳ないです

チーズ!チーズ!チーズ!!熟成中のロックフォールがずらりと並ぶ光景は圧巻。村の地下にこんな光景が広がってるなんて驚きです。なんと地下11階もあるらしい。スゴスギ。木でできた棚にはチーズの表面に刷り込んだ塩が馴染みロックフォールの味わいにひと役買うそうです。熟成士によるチェックがされ、表面を綺麗にしたのち、アルミ箔で包んでロックフォールの完成です。

見学が終わると最後に3種類のロックフォールの試食です!右から
①SOCIETE バランスのいいノーマルタイプ。ムール貝のソースにもおすすめ。
②Tamplier テンプル騎士団と名付けられたより香りが強く力強い味わい。カーヴ限定の商品。肉にもぴったり。
③Baragnaudes バラニョードと呼ばれる定番商品とは違う洞穴で熟成されたもの。繊細でクリーミーな味わい。パンデピスと相性抜群。

ピリッと刺激的!広がる癖のある香り。うーーむこれは強い・・・!
普段から単体で食べるにはブルーチーズは強くて苦手なので(アクセントに入ったブルーチーズやソースは好きです!)SOCIETEも強く感じたのですが、バラニョードは説明の通り味わいが優しく食べやすい味でした。

ロックフォールの楽しみ方/保存法

ブルーチーズが好きな方はもちろんそのまま!
食べる30分〜1時間前には冷蔵庫から出しておくと滑らかな食感が楽しめます。
癖を和らげながら楽しむなら蜂蜜ジャム、レーズン、いちじくなどのドライフルーツと食べるのがオススメです。パンやクラッカーのお供に、スパイスの効いたパンデピスもおすすめ。小さく切ってサラダに入れれば味のアクセントに!くるみスモークサーモンもいいですね。苦味の効いたチコリとも合います。
料理に使うなら生クリームベースのソースパスタやニョッキ鶏肉にも。オムレツもおすすめです。
ワインは甘めのソーテルヌやポートワインフルボディの赤ともぴったりです😋

保存は乾燥に注意して、ジップロックのような密封袋やアルミホイルに包んで、冷たすぎず湿度のある野菜室で2週間。冷凍保存もできます(食感が変わるので加熱用として使ってください)

まとめ

ブルーチーズの王様「ロックフォール」いかがだったでしょうか。
味わいにも歴史にもとても魅力のあるチーズです。
3年前のワーホリ当時の語学学校のアクテビティで行った記録なので写真の質が悪い部分がありますが、ロックフォールの魅力や村の雰囲気が楽しめていただければ幸いです。
特徴的な味わいにフランス人の中でも好き嫌いがはっきり分かれますが、味わいに魅了される人も多いチーズ。ワインのお供に、料理のアクセントなどなどぜひ試してみてください。

おまけ

新型コロナの影響で飲食店が休業中のフランス。休業の命令とともに我が家ではYouTuberが爆誕。
料理人の夫、YouTubeチャンネル始めました。まだまだ見づらい点もあるかもしれませんが良かったらチェックしてみてください😊
その中からロックフォールを使ったサラダをご紹介!

【Endive /Roquefort /Poivron #08】チコリ・ロックフォールチーズ・黄パプリカ/ Salades Endives /Château Maucauillou Blanc
ロックフォールを使ったサラダのレシピ



ロックフォールの製造過程が気になる方はこちらの動画もぜひ!
羊乳からカードを作って型に詰める作業や、出来上がりをアルミ箔で包む作業の鮮やかさ、見応えあります!

La fabrication du Roquefort ! #4
フランス人のロックフォート製造レポ
Como se hace el Queso Roquefort.
スペイン人のSOCIETEカーヴ見学レポ

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